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  ワンポイントは1ヶ月遅れの表記になります。
  2018年に生徒・会員各位に配布した内容になります。

今月のワンポイント−2021年8月

親子関係のトラブル

 兄弟同士のトラブルもあれば、親子関係のトラブルに見舞われる事も有ります。家庭の安定を築く上で、トラブルが生まれる事は、望ましい事ではありません。

 しかし、人間社会の複雑な絡みの中で、全くトラブルが現れないという事も望ましい事ではありません。人間はトラブルに合う毎に成長し、知恵を付けていくメリットもあるのです。但し、このトラブルも共に相手を徹底的に痛めつけ、再起出来なくなるような激しいものでは困りものであり、ここでも程々が良いのです。

 さて、先程の兄弟同士の現実的な平等の世界のトラブルに対し、親子のトラブルも時にはあるでしょう。ところが親子のトラブルは次元が違うのです。最も大きなポイントは、親から眺めた子供は全て我が子であり、ひとつの家庭の中の世界の上下関係の中で、分け隔てのない対処に勤めるものなのです。ところが、子供から眺めると親子の上下関係の中で、一人一人が違った状態で眺めているのです。

 親からの判断は全体平等の判断であり、全体平等の対処です。しかし、子供側の意識、感覚は、不平等な扱いであり、不平等感なのです。子供の数だけ子供側からの親の感覚があるのです。例えば5人の子供がいれば、全部が我が子と思うのが親です。しかし、5人の子供はそれぞれ勝手に親をイメージしているという事です。1対5なのですから当然なのです。

親は全て我が子扱い
子供はそれぞれの意識で親を眺めている
馴染む子供・・・・・トラブルが出にくい
馴染まない子供・・・トラブルが出やすい
        
親側からの判断
 親子関係を親側の視点で眺めますと、先程も説明しましたように、意識的にも現実的にもほとんど差のない対処なのです。更に細かくいいますと、それぞれの子供たちにたして大差のない平等の扱いも、5つの種類があるのです。

北(親):南(子供)
 @親が子供を優しく応援
 A親が子供を優しく見守る      
 B親が子供と平等意識      
 C親が子供に気を使う対処をする     
 D親が子供に厳しく制約をする

@優しく応援する対処 ↓
 対処としましては、子供の苦労は少ない親となります。子供も順調に成長していきます。但し、親の優しさが仇となって社会人になって、力量不足が現れる事があります。どの子にも平等に過保護になるきらいがあるのです。何事も親の方で準備万端整えてしまい、子供には苦労をさせない親です。女の子ですと、箱入り娘的に成長します。男の子ですと、ここ一番という時に頼りになれない場合もあります。

A優しく見守る対処 ↑
 先程の@親の対処の場合は、何事にも必要以上に子供を助けてしまう状態ですが、Aの場合の親は何の対処もしません。助けることはしませんが、親としての子供への義務は何もいわず果たすのです。それが常に子供を包み込むような優しく見守る対処になるのです。子供の自由を認め、子供らしい行動と考え方も認め、それら全体を見守る親なのです。実はこのような親の態度が理想に近いのです。そしてこのように子供と接することが出来れば、親の生き甲斐にもなるのです。意識することなく静かに距離(世代・次元の違い)をおき、最も当たり前に接する事の出来る親子関係が成立するのです。

B人間的平等意識の対処 || 比和
 常に親子平等で接する方は、今日的な親子関係になります。昔は、親子といえども親が箸をつけるまでは夕飯が食べられなかったり、親が風呂に入るまでに子供は入れなかったりが当たり前でした。現在の世の中は親子であっても平等な対処になる事が多いようです。とくにこのケースがそのような対処が強いのです。しかしいくら親子平等といいましても、実際に幼少期の子供には、親に敵わないことだらけです。肉体を使う事や、頭脳を使うことですら、全ての事柄に敵わないことだらけなのです。ところが、例え敵わなくても容赦なく平等で対処します。結果的に将来確実に親を越える肉体・頭脳・諸々であっても折角の伸びる芽を潰してしまう事があるのです。ここが最大の注意ポイントです。平等が優れているように感じるでしょうが、平等は同じレベル・同じ次元になって初めて平等が真の平等なのです。次元が違い・レベルが違うものには「平等は不平等」なのです。
 幸いに子供が無事成長し、大人になった時には良きライバルとして共に切磋琢磨しながら伸びていく事でしょう。

C気を使い過ぎる・気にかけ過ぎる対処 ↑剋
 この場合の子供たちへの対処は、なかなか難しいものがあります。何となく子供たちの存在そのものが負担となり、何かと親側の行動の足手まといとなる事があるのです。当然子供たちの一言二言に対し、気を使う事も多くなり、何となく空々しい親子関係になる場合もあります。一般的には、何をするにしても子供の言動も行動も気になります。常に気を使い過ぎる事から、次第に子供たちの失敗・失態・欠点にショックを受けるようになります。子供たちが微妙に親の接し方を感じ取り、言いたい放題の好き勝手を始める事があるのです。親が一方的に子供を負担に思い始めます。その為にこの育て方になりますと、意外に@Aのタイプよりも非行少女・非行少年が増えるようになるのです。

D厳しい制約の主体の対処 ↓剋
 この育て方の場合も理想とはいえません。子供に対しての制約が多すぎるのです。子供は一般的にのびのびと自然体で育っていくのが良いのですが、何から何まで厳しい環境を与えてしまうのです。「獅子が千尋の谷に我が子を落とす」厳しい環境を、子育ての中心に捉えます。当然の事としまして、脱落する子供が多くなりますが、中には頭角を現す子供も無きにしも有らず。上手く厳しさに絶えて成長しますと、「捻くれ者」になるか「大成者」「真の王者」になります。           次回もこの続き「親子関係のトラブル」を掲載いたします。



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